クラミジアは、病原菌クラミジア・トラコマチス菌に感染し1週間~2週間程度の潜伏期間を経て発症しますが、自覚症状が少なく発症に気付かないまま放置される事が多い性病です。
男性の感染患者は、尿道炎から前立腺炎や副睾丸炎、血精液症などを発症する事が多く、一般的に感染患者との性行為により付着した病原菌が尿道に侵入し繁殖する事で尿道炎を発症します。
尿道炎は、病原菌の繁殖による炎症に起因する排尿痛や掻痒感、尿意切迫などの自覚症状に加え、透明~乳白色の非粘着性の膿が排出され下着を汚すケースもありますが、クラミジア・トラコマチス菌に起因する尿道炎は自覚症状が少なく放置されるケースが多くなっているのが現状です。

男性のクラミジアは、尿道炎を放置すると膀胱の真下に尿道を取り囲む様に位置する前立腺や精巣の上部に覆いかぶさる様に位置している副睾丸に病原菌が感染してしまい、前立腺炎や副睾丸炎を発症します。
前立腺炎は、40度を超える高熱や下腹部痛、膀胱炎などの発症に加え、尿道を取り囲んでいるので炎症を発症する事で尿道を圧迫してしまい尿を出し切るまでに時間がかかる尿線細小や尿が出なくなる尿閉、尿意切迫などの症状を発症させる事がある疾患です。
副睾丸炎は、尿道から精管を上行感染して来た病原菌が副睾丸で繁殖する事で副睾丸の腫れや痛み及び38度超える高熱などの症状を発症し、重症化すると副睾丸の腫れや足の付け根の鼠径部が腫れによって歩行の障害となる事もある感染症です。

男性のクラミジアは、前立腺炎の発症と共に血精液症を比較的高い確率で発症させます。
前立腺は、精液の約30%を占める前立腺液の分泌に加え、前立腺液に精嚢で生合成される精嚢液と精巣で生合成される精子を混ぜ合わせた精液の生成の役割を担っています。
その為、前立腺炎を発症する事で前立腺内の血管が脆くなり精液が赤くなってしまうことや、かさぶたの様な赤黒い小さな斑点が見られる血精液症を発症する事がありますが、前立腺だけで無く尿道や副睾丸、精巣などの炎症に起因して発症する病態です。

女性が感染したクラミジアを放置するとどうなる?

女性は、男性に比べて発症後の自覚症状のない感染患者が多く、実際に女性感染患者の約8割に自覚症状が無く感染に気付かずに放置されると共に重症化する事が多いのが現状です。
クラミジアは、病原菌が膣や子宮頸管部の粘膜で繁殖すると共に自覚症状がほとんど無いので子宮や卵管、卵巣へと上行感染してしまい、最終的には腹膜や肝臓の周辺で炎症を引き起こす事が多く危険な性病です。
女性のクラミジアは、有害な細菌の増殖や侵入を防ぐ為に生成されている乳酸菌の効果によって守られている膣や子宮頸管部の粘膜にクラミジアの病原菌が繁殖する事で膣の酸性度が低下してしまい有害な細菌やウイルスの侵入を引き起こし、膣炎や子宮頸管炎を発症させます。
膣炎や子宮頸管炎は、おりものの色や量の変化及び性交痛などの自覚症状がある感染患者もいますが、生理不順や体調不良と勘違いしてしまう事が多く感染に気付かず放置してしまう感染患者がいます。

女性のクラミジアは、発症に気付かず膣炎や子宮頸管炎を放置すると膣や子宮頸管部から卵管や卵巣へ病原菌が上行感染してしまい卵管炎や骨盤腹膜炎、肝周囲炎を発症させます。
卵管炎は、卵巣から子宮へ卵子を運ぶ為の10cm程度の細い管ですが、痛感に対して非常に鈍い器官なので病原菌による炎症が発症しても発症に気付かない事が多く、重症化すると共に卵管閉塞などの不妊症の原因となる事があります。
クラミジアは、卵管炎や卵巣炎を放置すると胃や肝臓など腹部の内臓を覆う薄い半透明の腹膜と臓器などを癒着させるだけで無く、炎症を引き起こす骨盤腹膜炎や肝臓周囲炎を発症させます。
骨盤腹膜炎は、非常に強い下腹部痛や性交痛及び発熱などの症状が発症し卵管留膿腫や卵管留水腫などの発症原因となるだけで無く、意識喪失から死に至るケースもあり危険な疾患です。
肝周囲炎は、フィッツ・ヒュー・カーティス症候群とも呼ばれ、右脇腹や右肋骨、腹部などの周辺に非常に強い痛みに加え、37度以上の発熱を発症させます。